もう一度、新しいわたしで恋をする勇気… 【後編】
—「復縁できるかも」と思えた夜—
別れてから、3週間。
私は、彼に連絡しなかった。
いや、正確には——
「連絡したくてたまらない夜」を、何度も越えた。
その代わりにやったことは、
驚くほど地味なことばかりだった。
・予定がなくても、ちゃんと外に出る
・「寂しい」を、誰かに投げない
それは “強くなる” というより、
「自分に戻る」作業だった。
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ある日、ふと気づいた。
彼のSNSを、見ていない自分に。
あんなに毎日チェックしていたのに、
気づけば3日、開いていなかった。
(あれ……私、生きてる)
彼がいなくても、
私はちゃんと朝起きて、
仕事して、笑って、眠っている。
それが、少し誇らしかった。
⸻
そして、一カ月目の夜。
スマホが震えた。
——彼からだった。
「元気?」
たった2文字。
でも、心臓は一瞬であの頃に戻った。
……戻ったけど、同じじゃなかった。
深呼吸して、ゆっくり返す。
「元気だよ。そっちは?」
すぐに返さなかった。
でも、無視もしなかった。
それが、**今の私の“ちょうどいい距離”**だった。
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何通かやり取りをして、
彼がふいに言った。
「前より、雰囲気変わった?」
画面越しなのに、
彼の視線を感じた気がした。
「そうかな」
「うん。なんか…余裕ある」
——余裕。
昔の私が、
一番欲しくて、一番持てなかったもの。
「ねえ」
彼が続けた。
「今度、コーヒーでも飲まない?」
⸻
会う当日。
私は“頑張りすぎない”服を選んだ。
彼に好かれたい自分より、
自分が心地いい自分を優先した。
彼は、変わらず優しかった。
でも、少しだけ緊張していた。
それが、嬉しかった。
「前さ……」
彼が言葉を選びながら話す。
「正直、好きだったからこそ、逃げた部分もあった」
私は、責めなかった。
過去を蒸し返さなかった。
ただ、微笑んで言った。
「私もね。好きと不安を、間違えてた」
⸻
別れ際。
彼が、少し照れたように言った。
「また、会ってもいい?」
私は、即答しなかった。
ほんの一拍、間を置いてから。
「……うん。いいよ」
それは、“すがる了承” じゃない。
** 選び直す余地を与えた返事 **だった。
⸻
復縁に近づく女性が手に入れるもの
・依存しない “余白”
・相手を試さない “安心感”
・そして、自分を大切にする “軸”
復縁できるかどうかは、まだわからない。
でも——もう私は、
「彼がいないとダメな私」じゃない。
だからこそ…また彼に選ばれる可能性が、
静かに、確かに、芽を出している。
恋は、終わらせたからこそ、もう一度始められることがある。
——それを知った27歳の夜だった。



