モテたいシリーズ【男性向け】

5年一緒にいた彼女は、ずっと“そこにいる存在”だと思っていた



正直に言うと、

俺はあいつが離れるなんて、考えたことがなかった。


付き合って5年。

連絡をくれるのは、いつも彼女のほう。

デートの予定を立てるのも、彼女。

俺は仕事とゲームで手一杯で、

正直、恋愛にそこまで気を使わなくなっていた。

約束をドタキャンしても、

少し不機嫌になっても、

結局、彼女は戻ってくる。

——そういう安心が、あった。


周りから「大丈夫?ちゃんと大事にしてる?」

と言われても、どこか他人事だった。


だって彼女は、文句を言いながらも、

離れなかったから。

(今思えば、あれは“我慢”だったんだろうけど)


彼女が黙ってスマホを見ている時間が増えても、

特に気に留めなかった。

「疲れてるのかな」

その程度。本当は——

俺が向き合わなくていいように、

彼女が気を遣ってくれていただけなのに。


そんなある日、彼女が言った。

「短期で、カナダに留学しようと思ってる」

一瞬、意味がわからなかった。

留学? 今さら?

「急じゃない?」って聞いたら、

彼女は静かに笑った。

「前から考えてたんだ」

その笑顔が、なぜか少し遠く感じた。


——あれ?

こいつ、俺の世界から、出ていくのか?


胸の奥に、今まで感じたことのない違和感が残った….